Clashの使い方ガイド
サブスクリプションの追加と接続確認
「サブスクリプションを追加 → プロキシモードを選択 → 接続 → 動作確認」の順に初期設定を行います。まずブラウザーからのリクエストが通ることを確認してから、ほかのアプリの通信を取り込む方法を調整しましょう。クライアントと有効なサブスクリプションがあれば、この手順に沿ってすぐに使い始められます。
1. サブスクリプションを追加して設定を有効化
始める前に、インストール済みのクライアントと、サービス提供元から案内されたサブスクリプションURLまたはローカル設定ファイルを用意します。クライアントは設定を読み込み、ルールを適用して接続を確立するソフトウェアです。インストールしただけでプロキシが使えるようになるわけではありません。サブスクリプションURLは、アカウントのログインページや購入ページ、一般的なウェブサイトのURLとは異なります。Clashまたは現在のコア形式に対応していると明記された設定用URLが必要です。設定がまだない場合は画面を確認しておくだけで十分です。接続スイッチを何度も切り替える必要はありません。
サブスクリプションまたは設定画面でURLを追加
クライアントを開き、「サブスクリプション」「設定」またはProfilesの画面に進みます。「新規作成」「追加」「インポート」などの項目を探してください。インポート形式を選べる場合はURLまたはリモート設定を選択し、サブスクリプションURL全体を入力欄に貼り付けます。名前は設定を見分けるためのものなので、分かりやすい提供元名や用途を入力します。URLを名前欄に貼り付けないようにしてください。保存する前にURLの先頭と末尾を確認し、改行や空白、チャットアプリが付けた説明文などが混ざっていないことを確かめます。その後、「インポート」「ダウンロード」「保存」のいずれかをタップします。
クライアントがダウンロードと解析を終えるまで待ちます。成功すると、通常は設定一覧に新しい項目が追加され、名前や更新日時などが表示されます。項目が追加されたら、カードまたは横にある有効化ボタンをタップして、現在使用する設定に切り替えてください。ダウンロードしただけでは切り替わっていない場合があります。次にプロキシ画面を開き、設定で定義されたプロキシグループが表示されることを確認します。画面が空白のままなら、設定一覧に戻って選択中の項目を確認し、解析エラーが表示されていないか調べてください。
ローカルのYAMLファイルを入手した場合は、URL入力欄ではなく「ファイルからインポート」を使います。読み込んだ後、同様に設定を選択して適用してください。ファイルからのインポートでは、リモート更新用URLが自動で設定されないことが一般的です。後から更新できるかどうかはクライアントと設定の提供元によって異なります。ファイルのパスをサブスクリプションURLとして入力しないでください。QRコードから取り込む場合も、読み取った内容が設定URLであることを確認してから、クライアントで読み込んでください。
インポートに失敗したら、どの段階で失敗したか確認
「ダウンロード失敗」は通常、クライアントがリモートの内容を取得できなかったことを示します。URLが正しいか、サブスクリプションが有効か、現在のネットワークからURLにアクセスできるかを確認してください。「解析失敗」は内容を取得できたものの、ウェブページやエラーメッセージ、互換性のない設定だった可能性があります。対応していないプロトコル形式というメッセージが出た場合は、まずクライアントが使用するコアを確認してください。エラーを消すために、むやみに項目を削除しないでください。設定形式とコアの関係はプロトコルとコアのガイドを参照してください。ここではまず、互換性のある設定を読み込むことを目指します。
設定が有効になり、プロキシグループが正常に表示されれば、次の手順へ進めます。この段階ではDNSやカスタムルールなどの詳細設定は変更せず、提供元の初期設定を維持してください。後から問題の原因を切り分けやすくなります。
2. ルールモードとプロキシグループを選択
クライアントのホーム画面またはプロキシ画面に戻り、「モード」「動作モード」またはModeを探します。一般的な選択肢はルール、グローバル、ダイレクトです。英語表示ではRule、Global、Directとなる場合があります。初めて使う場合はルールモードがおすすめです。リクエストがコアに渡されると、現在の設定にあるルールに基づいて、直接接続、プロキシ経由、または拒否が選択されます。ルールモードを選んでも、すべてのリクエストが同じ接続先を使うわけではありません。また、端末上のすべてのアプリの通信が取り込まれるわけでもありません。
まず動作モードを選び、次にグループ内のポリシーを確認
ルールモードを選んだら、プロキシグループの一覧を開きます。グループ名は設定の作成者が決めるため、用途、地域、アプリなどに応じて異なります。決まった「正しいグループ名」を探す必要はありません。まずメインの選択グループ、または設定の説明で指定された入口のグループを確認し、手動選択できるグループから接続先を選びます。選択した項目には通常、チェックマークや枠線の変化などが表示されます。詳細を開いただけでなく、選択マークが目的の項目に移動したことを確認してください。
プロキシグループによっては自動選択、フェイルオーバー、負荷分散に対応しており、接続先を1つに固定できない場合があります。グループ内の項目自体が別のグループなら、さらに開いて最終的にどのポリシーへつながるか確認してください。DIRECTはリモートプロキシではなく、直接接続を意味します。また、グループ名に特定の用途が含まれていても、現在のウェブサイトがそのグループを通るとは限りません。実際の通信記録で最後に確認する必要があります。
クライアントに遅延テスト機能があれば、タイムアウトや接続不能な項目を見つけるために利用できます。ただし、テストの成功は特定の確認用リクエストが完了したことを示すにすぎません。表示されたミリ秒数はダウンロード速度ではなく、目的のアプリが使えることを保証するものでもありません。初期設定では、まずテストに成功する接続先を選び、実際のウェブページで確認してください。テスト機能自体が使えない場合も、ログと実際のリクエストを確認すれば判断できます。すべての項目に数値が出るまで何度もテストする必要はありません。
| 動作モード | 処理方法 | 操作の目安 |
|---|---|---|
| ルール / Rule | 設定内のルールに基づいてポリシーを選択します。 | 普段使いと、このガイドでの動作確認に適した開始点です。 |
| グローバル / Global | コアがプロキシ処理するリクエストに、グローバルポリシーを一律に適用します。通信の取り込み範囲や関連設定の影響は受けます。 | ルールの影響を一時的に比較するときに使い、終了後はルールモードに戻します。 |
| ダイレクト / Direct | コアが処理するリクエストを直接接続します。 | 直接接続が必要な場合に使います。システムプロキシをオフにすることとは異なります。 |
ここまでで、クライアントは「リクエストを受け取った後、どの経路を選ぶか」を判断できるようになりました。リクエストがクライアントに届くかどうかは、次の手順で設定する通信の取り込みにも左右されます。現在のルールモードとプロキシグループの選択は変えず、次は通信の入口だけを設定してください。複数の条件を同時に変更しないようにしましょう。
3. 接続と通信の取り込みを有効化
まずホーム画面でコアが起動中で、現在の設定が読み込まれていることを確認します。PCクライアントによっては起動時にコアも自動で動作しますが、「起動」や「接続」をタップする必要がある場合もあります。コアの起動、プロキシグループの選択、システムプロキシの有効化はそれぞれ別の状態です。いずれかが未完了だと、画面上は正常に見えてもリクエストが取り込まれないことがあります。初回のテスト中は、システムプロキシ、ルーティング、仮想ネットワークアダプターの競合を避けるため、ほかの動作中のプロキシやVPNクライアントを終了してください。
PCではまずシステムプロキシを有効化
PCクライアントのホーム画面または設定画面で「システムプロキシ」を探し、有効にします。これにより、システムのプロキシ設定にローカルのプロキシ接続先が登録され、その設定に従うアプリで利用できるようになります。一般的なブラウザーは通常この設定を参照します。有効にしたらブラウザーに戻り、新しいタブで接続を試してください。ブラウザー独自のプロキシ設定や拡張機能、手動のSOCKSアドレスがあると、システム設定が使われない場合があります。初回の確認ではブラウザーにシステムプロキシを使わせ、複数の接続先が重ならないようにしてください。
システムプロキシは、端末全体の通信を取り込むスイッチではありません。一部のコマンドラインツール、ゲーム、その他のアプリはシステムプロキシを参照しません。そのため「ブラウザーは使えるのに、特定のアプリは元の経路を使う」場合でも、サブスクリプションが無効とは限りません。まずブラウザーで確認し、そのアプリが独自のプロキシ設定に対応しているか、TUNが必要かを判断してください。1つのアプリの問題を解決するために、すぐにすべてのポート、DNS、ルールを変更しないでください。確認済みの経路を維持するほうが、次の問題を切り分けやすくなります。
必要な場合に限りTUNを有効化
TUNは仮想ネットワークインターフェースを通じて、ルーティング条件に合う通信を取り込みます。通常、システムプロキシを参照しないアプリもより多く対象にできます。利用する場合は、設定画面で「TUNモード」または「仮想ネットワークアダプター」を探し、クライアントの案内に従ってサービスをインストールし、システム権限を許可するか、必要なコンポーネントを有効にしてください。権限の付与方法はOSによって異なるため、現在使っているクライアントの案内に従います。権限不足やサービス停止のメッセージが出た場合は、まず表示された問題を解決してから、もう一度スイッチを操作してください。
初期設定を完了するために、システムプロキシとTUNを同時に有効にする必要はありません。システムプロキシでブラウザーが使えることを確認できたら、その状態を記録してからTUNを個別にテストしてください。ほかのVPN、仮想マシンのネットワーク、企業向けネットワークツールが動作していると、ルーティングに影響することがあります。有効化後に正常だった接続が切れた場合は、直前に有効化したTUNをオフにして、確認済みの状態に戻してください。TUN、DNS、ルールの詳しい関係はプロトコルとコアのガイドを参照できます。この初回設定ですべてを調整する必要はありません。
スマホではシステムのVPN接続を許可
スマホアプリで設定とプロキシを選択し、「接続」または「起動」をタップします。初回起動時は通常、システムからVPN接続の確認が表示されます。現在インストールしているクライアントからの要求であることを確認し、システムの案内に従って許可してください。許可後にアプリへ戻り、接続状態を確認します。さらに、システムのステータスバーやVPN設定で接続が確立されていることを確認してください。スマホのVPNアイコンは通信を取り込むインターフェースが動作中であることを示しますが、選択したリモート接続が使えることまでは証明しません。
許可した直後に切断される場合は、ほかのVPNアプリが接続を取り込んでいないか確認し、クライアントに設定や権限のエラーが表示されていないか調べます。Android端末ではバックグラウンドでのアプリ動作が制限されることもあります。画面ロック後に切断される場合に限り、バッテリー設定とバックグラウンド実行の権限を確認してください。iOSではシステムのVPN設定で現在の接続項目を確認できます。この段階でステータスアイコンだけを見て終わりにせず、次の手順で実際のリクエストが想定したポリシーを通るか確認します。
4. 通信経路と実際のアクセスを確認
クライアントを起動したまま、現在アクセスできると分かっているサイトをブラウザーで開きます。キャッシュされたページだけが表示されるのを避けるため、新しいタブを開くかページを再読み込みしてください。次にクライアントの「接続」「アクティブな接続」またはログ画面を開き、先ほどのリクエストに対応するドメインを探します。表示される項目はクライアントによって異なります。ホーム画面の通信量だけを見るのではなく、対象ドメイン、適用されたルール、使用されたプロキシグループ、最終的な接続先を確認してください。
アクセス結果と接続履歴を照合
ウェブページが表示され、接続履歴にリクエストが記録されていることを確認したら、ポリシーが想定どおりかを確認します。ルールモードでは、設定によって直接接続に指定されているサイトがDIRECTと表示されても正常です。プロキシが必要と分かっている接続先を選んで、続けて確認してください。ルールの動作が不明な場合は、適用されたルールの記録を確認します。サイトが開けたことだけを根拠に、すべての通信がプロキシ経由だと判断しないでください。
出口IPの確認は参考になりますが、それだけで判断することはできません。ルールによって確認サイトが直接接続されている場合があり、ブラウザーのキャッシュが結果に影響することもあります。IPv4とIPv6で接続先が異なる場合もあります。より確実なのは、明確なリクエストをクライアントの記録と照合し、対象、ルール、ポリシーが一貫した経路を構成していることを確認する方法です。PCアプリの動作を確認する場合は、そのアプリから新しいリクエストを発生させて記録を調べてください。ブラウザーでの成功をアプリのテストの代わりにはできません。
接続できない場合は決まった順序で確認
ウェブページを開けない場合は、まず最初の手順に戻り、現在の設定が有効か、直近の更新でエラーが出ていないかを確認します。次に、プロキシグループで利用可能な接続先が選択されているか、誤って直接接続や別のポリシーに切り替わっていないかを確認してください。続いてコアが起動していること、PCのシステムプロキシまたはスマホのVPN接続が確立されていることを確認します。最後に今回のリクエストを調べます。記録がまったくない場合は、アプリの通信がクライアントに届いているかを優先して確認します。記録があるのに接続に失敗している場合は、リモート接続、プロトコルの互換性、ログに記録された具体的なエラーを確認してください。
特定のサイトやアプリだけが失敗する場合は、まず別の接続先を試して、個別の問題か全体の接続問題かを切り分けます。ネットワークを切り替えた後に問題が起きた場合は、一度切断して再接続し、現在のネットワークで接続し直してください。変更は一度に1つだけにします。たとえば、プロキシの選択だけを変えるか、TUNだけをオフにして、同じリクエストを再試行します。モード、DNS、ポート、サブスクリプションを同時に変更すると、結果を判断しにくくなります。プロトコル対応、DNS、複雑なルーティングについては、詳しいガイドのプロトコルとコアに関する説明を参照してください。
動作確認後に普段使いの設定を保存
動作確認に成功したら、必要に応じてサブスクリプションの自動更新やクライアントのOS起動時自動起動を有効にできます。更新によってプロキシグループの内容やルールが変わることがあるため、更新後に使い勝手が変わった場合は、現在の選択が有効かを確認してください。クライアントの自動起動、コアの起動、システムプロキシの自動有効化は、別々の設定になっている場合があります。すべてのスイッチが自動的に元の状態に戻ると思い込まず、次回の端末再起動後に簡単な動作確認を行うことをおすすめします。
PCクライアントを終了する前にシステムプロキシをオフにし、その後アプリを終了してください。そうしないと、システムが終了済みのローカル接続先にリクエストを送ることがあります。スマホで使い終わったら、クライアントから正常に切断し、システムのVPN接続も終了していることを確認します。後でサブスクリプションを変更する場合は、サブスクリプションの追加からやり直してください。動作モードだけを変更する場合は、モード選択から続けられるため、クライアントを再インストールする必要はありません。動作確認済みの手順を残しておけば、次回のトラブルシューティングに役立ちます。